鶴見区で親の補聴器を、と思われたら。ご家族がまず知っておかれるとよいこと
「鶴見区 補聴器」と、検索されたあなたへ
スマートフォンで「鶴見区 補聴器」と打ち込まれた、その指先のお気持ちを、私は少し想像しています。
おそらく、ご実家のテレビの音が前より大きくなっておられる。電話で何度か聞き返される。玄関のチャイムにすぐ出てこられない。そういう様子を、このところ気にしておられるのではないでしょうか。
そして、ふと「そろそろ補聴器かな」と思われた。けれど、どこに連れていけばいいのかわからない。検索結果には、大きなチェーン店の名前ばかりが並んでいて、どれが親に合うのか、見当もつかない。
わざわざ「鶴見区」と地域名を入れて検索された、そこに、すでにご事情が滲んでいます。親御さんを遠くへお連れするのは、現実問題、なかなか大変なのです。だから、近場で。そうお考えになったのでしょう。
そのお気持ちを汲んだうえで、ご家族にお伝えしておきたいことが、いくつかあるのです。
鶴見区という街と、親御さんのこと
鶴見区は、大阪市内では比較的若い区です。人口およそ11万人、65歳以上の方の割合は21.8%。これは大阪府の平均(26.1%)よりも低い数字です。年少人口の割合は大阪市の中で最も高い。つまり、若い世帯と、その親世代が近くで暮らしておられるご家庭が、この街には多いということです。
ですから「親の補聴器を、子が探す」という今日の検索は、鶴見区ではよく起きていることなのです。決してあなただけが特別に悩んでおられるわけではありません。
鶴見緑地のベンチでご夫婦が会話されているとき。今福鶴見駅の改札で待ち合わせをされているとき。住宅街の静かな夕方、玄関でチャイムを聞き分けようとされているとき。聞こえというのは、こういう何気ない場面の積み重ねの中で、暮らしを支えています。それが少しずつ抜け落ちていく。ご家族から見て気になるのは、こういう瞬間の一つひとつだろうと思うのです。
まず、耳鼻咽喉科を一度
補聴器の話に入る前に、一度耳鼻科にかかっていただくのが順番です。
聞こえの低下が加齢によるものなのか、耳垢が詰まっておられるだけなのか、あるいは中耳炎などの治療で改善するものなのか。これは医師にしか判断できません。補聴器を急いで買う前に、まず原因を確かめる。これが回り道のようでいて、結局は近道なのです。
鶴見区内には、耳鼻咽喉科のクリニックが何院かあります。横堤駅、放出駅、今福鶴見駅、それぞれの周辺に。区内のどこにお住まいでも、徒歩か短い距離で通える範囲に、必ず一院は見つかります。鶴見区のホームページや、ネットの医院情報サイトでお調べになれば、すぐに出てきます。
地域包括支援センターという窓口
もう一つ、ご家族に知っておいていただきたい窓口があります。地域包括支援センターです。
鶴見区には3つのセンターが置かれていて、それぞれ担当地域が分かれています。鶴見北・横堤・緑地域あたりにお住まいなら西部センター、今津・放出東のあたりなら南部センター、その他の地域は鶴見区地域包括支援センターが担当しています。鶴見区役所のホームページに、お住まいの地域がどのセンターの担当か、一目でわかる表が載っています。
ここは介護や福祉の総合相談窓口ですが、聞こえのことも含めて、ご高齢の親御さんの暮らし全般を相談できる場所です。「補聴器のことで来ました」と言って訪ねるのは少し早いかもしれませんが、「最近、親の様子が気になっていて」というご相談から、聞こえの話につながっていくことは、現場ではよくあります。
ここで、現実のお話を
さて。耳鼻科にかかった、地域包括支援センターでも相談した。それでは、補聴器そのものは、どこで買えばいいのか。
鶴見区内、あるいは隣の城東区まで足を延ばせば、補聴器の販売店はあります。チェーン店もあれば、個人のお店もある。それぞれに特徴があり、どこを選ばれても、誠実なお店ならばちゃんとした補聴器を扱っておられます。
ただ、ここで一つ、申し上げておきたいことがあるのです。
補聴器は、買ってお終い、ではありません。月に一度、二度と、調整のために通うことになります。耳垢の掃除、聞こえ方の微調整、電池や部品の点検。これを怠ると、補聴器はだんだん合わなくなっていき、最後には引き出しの中で眠ることになります。
そして、この通いが、ご家族にとって思いのほか重い負担になることがあるのです。雨の日もあれば、暑い日もある。親御さんが「もう行かなくていい」とおっしゃる日もある。ご家族が仕事を半日休んで、お連れする。お店から帰る車の中で、「もう要らん」とぼそりと言われる。そういう一日が、月に一度、また月に一度と続いていきます。
私のところに来てくださる方々が、過去にこうおっしゃったことがあります。「毎回連れていくのが大変だった」と。これは、現場で本当によく聞く言葉です。
もう一つの道
そこで、もう一つの選択肢があります。訪問という形です。
調整者がご自宅までお伺いして、リビングや親御さんがいつもおられる部屋で、補聴器の調整や点検を行う。連れていくのではなく、来てもらう。これだけのことなのですが、ご家族の負担がずいぶん違ってきます。
これまでお伺いしたご家族から、よく言われる言葉があります。「来てもらえて助かる」「連絡したらすぐに来てくれる」「夜でも対応してくれて助かる」「日曜日の夜でもみてくれるの」。
店舗のお仕事には営業時間があります。平日の昼間に、親御さんを連れていく時間が取れるご家族ばかりではありません。お仕事を終えた夜、あるいは唯一ゆっくりできる日曜日、そういうときにこそ、ご家族は親御さんと向き合っておられるのです。訪問の調整者は、そういう時間にお伺いすることもできます。
もちろん、店舗で十分という方もおられます。親御さんが外出を厭わず、ご家族も無理なく付き添える。それなら店舗の方が、設備も整っており、選択肢も多くて、向いている場合があります。
ただ、月に一度の通院がだんだん辛くなってこられた、あるいは親御さんが「もう行きたくない」とおっしゃっておられる。そういうご家庭なら、訪問という形に切り替えてみる価値は、十分にあるのです。
どちらを選ばれるか、これは正解が一つに決まる話ではありません。ご家族の暮らし、親御さんのご様子、そして調整者との相性。こうしたものを合わせて、その方の暮らしに合う形が見えてきます。
ご実家の補聴器ケース、あるいは、まだ補聴器をお持ちでないなら、テレビ前のリモコンの音量のあたりを、一度ご覧になってみてください。そろそろかな、と感じられることがありましたら、お近くの耳鼻科か、地域包括支援センターか、あるいは私のような訪問の調整者に、一度ご相談されてみるとよいかもしれません。