補聴器の雑音の原因は生活音にあり補聴器には調整が必要です補聴器はお渡してからが 長いおつきあいが始まります。 「あなた好み」にするには 時折調整する必要があるのです。 お店で聴力を測定し、 それに合わせたデーターを 補聴器にインプットします。 しかし、人の感覚は千差万別です。 家に帰って 「こんな音が気になるなあ」 「もう少し聞こえるようにしてほしいなあ」 とか色々ご要望が出てくると思います。 その時には微調整が必要ですし、 時間の経過とともに 聞こえ具合も変わってくるので、 改めて聴力を測り必要も出てきます。 この過程を飛ばしてしまうのが、 現在行われている通信販売です。 度が合っていないレンズを 販売しているような面がありますが、 そのあたりのことをご存じない方も まだまだ多いようです。定期的な点検と掃除が必要です人間の場合は 「知りすぎたのね」ということはあるかもしれませんが、 補聴器の場合は 知りすぎて損することはありません。 ですので、あおぞら補聴器の 啓蒙活動の一環?としての このブログは読んでもソンはないように 書いていく積りですが、 補聴器は 体に接触するものだけあって、 体から出る汗や耳あかが (世間では一般的に、耳くそと呼ばれています) 原因で故障することもあります。 耳あな型ですと、 補聴器に音の入り口にある汚れを キレイにしたり、 耳かけ型ですと、 汗が補聴器のなかに染み込んで いつの間にやら 部品が錆びてしまうといったこともあります。 そのために、半年から1年に1回は お店へ行くか、出張で来てもらって 調整や点検、掃除をしてもらう必要があります故障かな?補聴器につきもののハウリングとはこんな現象です補聴器につきもののご質問が、もう一つあります。 それは「ピーピーと音が聞こえてくる」と云ったものです。 ハウリングと呼ばれるものですが、 補聴器の故障ではありません。 ホンの少し専門的にお伝えすると、 補聴器で大きくされた音が、 もう一度補聴器のマイクに入って起こる現象です。 「オーダーの耳せんをつくってくださいよ」という 合図だとお考えいただければ わかりやすいかもしれません。 もちろん、補聴器を必要とされる方には 補聴器で大きくされた音が必要なのですが、 ここに一つの矛盾が生じます。 ただただ、音を大きくすると 既製の耳せんでは、 耳にわずかな隙間があることで、 ハウリングが起きてしまうのです。 そのため、 補聴器の音を大きくしつつも 必要な音だけをお耳に届けるには 調整もさることながら、 オーダーの耳せんをつくることが 有効な対策の一つになります。補聴器がピーピー鳴るのはハウリングといいます補聴器にはまだまだ改善点があります。 耳元でピーピーと音が聞こえてくると 仰る方はまだまだ多いです。 これは「ハウリング」と云って、 カラオケでマイクの位置によっては 聞こえてくるものと同じ現象ですが、 故障ではありませんが、 ご本人にしてみると不快な音です。 昔だと、ピーピー鳴りやすい部分の 音を小さくするような方法しか 対応する方法がありませんでした。 しかし、最近は上手くハウリングを 解消する補聴器も出てきています。耳あな型補聴器は2~3年に一度耳あな型補聴器はオーダーメイドで お一人おひとりの耳の形に合わせて 補聴器をおつくりします。 そのため、入れ歯をつくるときに 口に粘土のようで型どりをするときと同じように、 耳にも同じような作業が必要ですが、 あらかじめ 知っておいていただいたほうがいいことがあります。 数年たつと、 補聴器から音がピーピと聞こえてくることがあるのです。 これは「ハウリング」というもので、 耳と補聴器の間のわずかな隙間から音が洩れることが原因です。 こういったことは、 一般的によくあることですが、 故障ではないかとお店に持ってこられる方もいらっしゃいます。 補聴器を購入されてから 体重が減ったり、補聴器に慣れてきて 以前よりもボリュームを大きくしようとすると この症状が顕著に出てきます。 そうでない場合であっても 2年から3年で ハウリング対策のため、 新たに型どりをして、 中の部品はそのままで 外側だけつくり替える必要が出てくる方が いらっしゃいます。「どうしてくれるんですか?責任をとってください」と云われると 人は誰でもビックリしてしまいますが、 保証が充実していれば安心することが出来ます。 補聴器メーカーおよび販売店は 紛失した場合、ハウリング(音がピーピー鳴る)、修理に対して 対応が充実してきています。紛失した場合盗難届や遺失届証明書が必要ですが、新しい補聴器を手に入れることが出来ます。 ハウリングした場合 体重が減ったりして、耳の形が変わると、ハウリングが起こりやすくなりますが、そんな時には、シェル再制作してもらえます。 (もう一度型採りをして、作り直ししてもらえます)修理が早い以上3つの保証の対象となる補聴器の器種には まだまだ一部の商品のみとなります。 また、補聴器をご購入いただいて手から 1年とか2年間とか長くて3年程度と 期間が限られていますので、 ご購入の際には販売店に確認されると良いかと思います。 補聴器や集音器の通信販売のダメな点お一人ひとりの耳の聞こえ具合に合わせて 補聴器の種類が選ばれて、そして調整もなされたうえで 試聴やレンタルが出来ますが 通信販売の場合ですとそういうワケにはいきません。 その方の聴力がわからないので、調整はされていないのです。 つまり、厳密にいうと その方が使うことの出来るタイプかわからないまま お客さんが注文したものを 会社は送っているという形になります。 すると、モノが送られてきたのはいいけれど、 「音をもう少し大きくして欲しいなあ」とか 「もう少し雑音や自分の声が気にならなくならないかあ」 なんてこんなことが起こった時に、 調整をしてくれる人は誰もいなし、 通信販売のタイプは比較的安いタイプが多いので もともと、音を調整をすることの出来る機能が かなり少ないといった欠点があるのです。 そのため、あとで、専門店などで 補聴器を買いなおすなんてことになれば 結局、余計な手間とお金がかかってしまうことになります。 (今日は通販の悪口を書いたので、 次回はいい点を書きます)通信販売が対面販売より優れている点一人の人間であっても いい点があれば悪い点もあるように 通信販売にもいいところと悪いところがあります。 補聴器を購入するには まだまだ敷居が高いと考えておられる方が多くいらっしゃいます。 一度ゆっくりと、自分の耳で試してみたい、という方にとって 通販なら周囲の人に知られることなく手に入れることが出来ます。 そして、実際に試してみると 集音器や補聴器がどんなものか、おおよそのことがわかります。 通販では、集音器を中心に扱われていますが、 オムロンの29,800円だと金額も 本格的な補聴器と比べるとまだ安いから、 それくらいならば、懐も痛まないと考えて 手を伸ばされる方も多いと思います。 本当は聴力を測定して、 それに合った調整をした補聴器(集音器ではなく)でないと その聞こえにお困りの方に合っているとはいえません。 聴力を測定していないために、 正確には合わせられないと考える 販売会社側の良心ととらえることも出来るでしょうか、 通販では、おおよそ軽度難聴の方が対象者になっています。 (それよりも聞こえが低下した方を対象にした集音器だと 軽度難聴の方にとっては過大な音となり、 人によっては耳を痛める可能性があるので注意が必要です) つまり情報不足のなかにあって、 通信販売は入門用としての一定の役割を果たしているのです。こぼれ話難聴と仕事の関係性とは日常的に大きな音を聞いていると 難聴になることがあります。 たとえば、 歌手は有名になればなるほど 大きなホールでコンサートを行いますが、 2時間くらいの間、ずっと大きな音を耳にしています。 また、本番だけではなく、 リハーサルもあることを考えれば 常時、耳に負担を強いていることになります。 時折、難聴だと公表される方は これが少なからず原因になっているのだろうと思います。 また、工事現場や工場で働いておられる方たちも、 ドリルの音や機械の音を 耳にしていることで聞こえにくくなる場合があります。 お医者さんではないので、なんともいえませんが 一般的には騒音性難聴と云われています。ヘッドホン難聴で難聴人口は増えていきます。昨日、偶然知り合いを 道端で見かけたので声をかけたところ、 相手は気づきませんでした。 結構大きな声だったのに、 どうしてかなあ、と一瞬不思議に思いましたが、 もちろん私が無視されたワケではありません。 彼は、イヤホンをしていたので、 音楽を聴いていたのでしょう。 声をかけて聞こえないということは、 それだけ自分の世界に入っているということですが、 確かウオークマンも開発されたときに、 これは耳が悪くなるんじゃないか、という声も あったとかなかったとか、 何かの本で読んだ記憶があります。 今は、難聴になって生活に不便を感じる方は 60代から70代が多いですが、 CDプレイヤーを利用している10代、20代の若者たちは もっと早い時期にヘッドホン難聴で、 補聴器を必要とする時期が来るだろうと予想されます。ヘッドホン難聴、イヤホン難聴から耳を守る知らない人が多いヘッドホン難聴、イヤホン難聴音楽やラジオ番組を楽しみたいとか、 英会話の勉強をされている場合、 イヤホンとヘッドホンは 手放せないという方も多いのではないでしょうか? 実際に町を歩けば、 イヤホンやヘッドホンをされている方を多く目にします。 しかし、こと耳に関すると、 この道具をなるべく使わないほうがいいようです。音楽関係者に難聴の人が多い。コンサートに行くと、 終わってからしばらくは、 なんだか耳がボワーンとすることがありますが、 それも時間が経てば治ります。 ただし、回復も、年齢によって違います。 年齢を重ねれば重ねるほど回復が遅くなりますし、 その時の体調にもよります。 音楽を聴く側であっても、 それだけ耳に負担を強いているのですから、 曲を演奏している人たちは 常に大音量に耳を曝していることになります。 難聴を公表する音楽関係者が結構多いのは、 そのせいなのかもしれません。 長時間聴いていると、内耳が傷つけられますが、 現代の医学では治すことが難しいのです。音量と時間に気をつける毎朝、学校や会社へ行く前に 音楽を聴く習慣がある方は、 音量と時間に気をつけましょう。 知らず知らずのうちに 聴力を失うことを避けるために 音量は小さく、時間は短くして 耳を休めてあげてください。騒音性難聴から補聴器を使う人が増加します体の機能の衰えをカバーするので、 補聴器は高齢者向けの商品だというイメージが強いですが、 まだまだ働き盛りの時期に 補聴器の世話になる方もおられます。 それは仕事場で 普段から大きな音に接しておられる場合です。 ざっと挙げると、建築現場や工事現場、 テレホンオペレーター、自衛隊、 救急隊員、パチンコ屋さんなどで 働いている方が、あてはまります。 初期の頃は、耳鳴りから始まって 次第に会話が聞こえにくくなります。 この騒音性難聴の聴力には、 高音の4000ヘルツの部分が ガクンと低下しているという特徴があります。 日本人にとって日常の生活や会話の聞き取りに 必要な周波数は500ヘルツから2000ヘルツであって、 この騒音性難聴が最も影響を与えるのは それよりも高い音になります。 そのため、最初は気づきにくいのも、 この騒音性難聴の厄介な点です。 次第に他の音も聞こえにくくなってきて ようやく、ご本人が難聴に気づいて 耳鼻科へ駆け込むということも多いのです。 耳は有毛細胞という部分が 「聞こえ」の中心的な役割を担っていますが、 一度損傷を受けると、 回復することは基本的にありません。 そのために補聴器のお世話になるケースが珍しくないのです。 職業性難聴とも言われるこの種の難聴は 仕事が原因のため、 耳栓や防音保護具を耳を守るなど、 職場環境を整える必要がありますが、 現場レベルで対応するといった根本的な問題解決策が 採られていることは少ないのが実情です。突発性難聴が起こったらすぐに耳鼻科へ原因は解明されていない突発性難聴ストレスがきっかけの 血流の内耳循環不全やウイルス感染が原因ともいわれていますが、 血のめぐりが悪くなって、 栄養が細胞に届かなくなります。 すると聴覚を司るうえで 大切な役割を果たしている 有毛細胞はお昼寝してしまいます。おかしいと思ったらすぐに受診ゴールデンウイークから職場に戻った人は、 最初はギアがかからないという方もおられると思います。 有毛細胞にも同じようなことがいえ、 突然、酸素や栄養が運ばれてくると ビックリして、休みがちになったり、 まだまだ細胞自身が自殺を図ることもあります。 1週間以内に耳鼻咽喉科で受診されることが大切だということです。糖尿病には難聴に大きな影響が最近の研究では難聴は年齢とは関係がなく、 他に因子があるのではないかと言われています。糖尿病の人は2倍難聴になりやすい糖尿病は腎臓機能の低下だけではありません。 糖尿病は血の循環が悪くなっているので、 よくイメージされるような足だけでなく 耳にも大きな影響があります。糖尿病と抗がん剤には耳にダメージを与える場合も糖尿病の抗生物質や抗がん剤には 耳に悪影響を与えるおそれのある薬もあり、 体が弱っているので、 副作用が出やすいということもあるそうです。運動不足解消と栄養バランスに気をつける必要が2007年にアメリカで発表された論文による 「難聴は加齢ではなく、他に原因がある」 日本でも、同時期に発表された 「難聴は騒音と動脈硬化に関係が深い」 この2つの発表は 人工的な食べ物が増えてきているなかで、 自分の体は自分で守る必要と 運動不足解消が糖尿病予防のキーワードといえそうですね。対面販売での不満私のお店にやってきた方から こういったお話を聞くことがあります。 「お店に行くたびに、買い替えを勧められたのよ」 今までは補聴器を買ったお店で、 電池を買ったり、点検をしてもらっていたそうですが、 3年を超えた頃から、 スタッフの方から 毎回のように買い替えの提案があったそうです。 補聴器は寿命が4~5年といわれています。 その数字は平均してということなので、 もちろん6~7年使っておられる方もおられれば、 その数は限られていますが、 10年近く使っておられる方もおられます。 その会社やお店の方針だったのかもしれません。 そのたびに、 ご本人はやんわりと断っておられたそうですが、 そんなこともあってか、 次第にお店から足が遠のきがちになっていた丁度その時、 家の近くに私のお店がオープンしたことを知って ご来店されたというわけです。 私が点検したあとの補聴器をお返しすると、 冗談めかして 「あなたのところから買おうかしら」 と仰いますが、 故障もしていなければ、 今のところ別に悪いところはありません。 私は自分のことを 商売に向いていない性格と思いますが、 モノとお金のやり取りは、 お客様との信頼関係から成っているものであるから、 困った時に相談していただけるようになれば おのずとお店の評判につながるのではないか、 単純かもしれませんが、そう考えています。対面販売の問題点人と人とが直接話しをすることは、 コミュニケーションを図ることが出来る一方、 お互いの立場によっては、 意思疎通がスムーズにいかない場合もあります。 補聴器が初めての人にとって, お店に足を運ぶことは敷居が高いのではないでしょうか? というのは、テレビや掃除機、洗濯機などの家電製品は 普段から身の回りにありますが、補聴器はそうではありません。 せいぜい知人や友人から話を聞く程度で、 実際に目にされることもが少ないに違いありません。 だから初めて補聴器の販売店へご来店される大半の方は 補聴器についてご存じない方が多いといえます。 販売員の多くは良心的でしょうが、 購入者の大半を占める高齢者は もともと補聴器については知識不足のため、 よくわからないまま購入されていることも多いように思います。 すると販売員のお勧めする製品を購入することになりますが、 買ってからもう少し安くても良かったとか、 もう少し高くてもいいから 性能がいいモノが欲しかったということに なることがあるようです。 他店で購入された方で あおぞら補聴器に寄せられるご相談には、 「使い始めてから補聴器のことを知ったけれども、 もっと最初から補聴器について知っていたら この商品は買わなかったのに」といったケースがママあります。 販売員の説明不足もあるでしょうし、 補聴器について信頼性のおける情報が、 まだまだ少ないともいえるかもしれません。 あおぞら補聴器では、 補聴器やそれぞれの商品について インターネットで情報を開示することで、 お客様が、十分知識をもったうえで 安心して購入していただけるよう 取り組んでまいります。難聴が経済に与える影響アメリカでは難聴者は、 関節炎 循環器系の病気に次いで第3位でその数は 3500万人だともいわれていますが、 そのうちの2600万人は補聴器を使っていません。 日本でも、同じように 使いたいけれどもガマンされている潜在的な方々が おられると思います。 では補聴器を使ったらいいんじゃないかと、 考えられる方も多いと思います。 しかし、冒頭に述べたように、 アメリカでも日本でも 難聴を自覚していて使っていない方が多いのには 補聴器の値段と云う問題が立ちはだかっているためです。 また程度の差こそありますが、 難聴はその方の生活だけでなく、職業にも影響を与えています。 たとえば、会社では上司や部下、取引先などと コミュニケーションを図る必要が出てきます。 ところが、それが思うようにいかない場合、 結果的に人と接する仕事を避けることになるでしょう。 ですので、難聴というだけで 技術や素質をもっていても 埋もれてしまっている人材がかなり多いに違いありません。 そんなわけで、 難聴と補聴器の値段と職業には 密接不可分な関係があると云えるのです。 あおぞら補聴器序二段四十一枚目 難聴がもたらす収入への影響Better Hearing Institute によると アメリカの難聴者は年収は3万ドル未満で 世帯収入でみると毎年1万2千ドルが 難聴によって失われているというデーターがあります。低収入は個人だけでなく、国に与える影響も大きく、 計算するとアメリカでは ベトナム一国の経済に相当する程度の損失が もたらされていることになります。日本でも補聴器を買いたいけれども なかなか手が出せない方も多いと思います。 それが、職業の選択の余地を狭め、 結果的に収入に影響を及ぼすということでしょう。補聴器が普及すると、 各個人の所得が増えるばかりでなく 地域、国として 活性化が図られるので、 あおぞら補聴器は 貢献できるよう努めてまいります。アメリカでわかった難聴と職業の関係鉱山業、建設業は仕事に従事している 3分の2にあたる人々が50歳までに 難聴になる体験をしています。 これはきっと大きな音が出る日常的に 重機などを使っているからでしょう。 また、軍人についても アフガニスタンから帰還した戦闘部隊の65%以上が 聴力損失または音響性外傷に悩まされています。 農家はトラクター、コンバイン、チェーンソー、豚の鳴き声なが原因となり、 平均的なアメリカ人よりも3倍以上聴力を失う機会に さらされているそうです。 そしてアメリカで最も多くの人が働いている製造業では 職業環境がもたらす難聴の顕著な例がみられます。 たとえば、ミシガンで行われたある研究では 難聴になった人の半数以上は製造業に関係する 職業に就いていたということです。王様の補聴器補聴器と言うと 今、お店で売られているような 耳にはめ込むモノばかりをイメージしてしまいますが、 椅子が補聴器の役割を果たしていたものもあったそうです。 ポルトガルの王様のためにつくられた この椅子型の補聴器は 肘掛けの部分がライオンの顔になっています。 実はそのライオンが開けている口から話しかけると、 その中で音が大きくなります。 そして、その椅子の中で大きくされた音を 王様は背もたれにある聴診器のようなもので聴いていたそうです。 8年ほど使われていたということですから、 これは実用的だったのでしょうね。 椅子ですから王様が移動する時には、 持ち運べばいいことだし、 王様の前で皆が膝をついて話すことは 不思議でもないし、 王様の体面も保てて、 万事よしといったところだったのでしょうか。 この補聴器を思いついた人はアイディアマンですね。補聴器の仕事からか、耳を見る癖があります。仕事が人を創る面は否定できませんが、 仕事が人の癖を生む面もあります。 補聴器販売する人の一人である私には 「人の耳を見る」癖があります。 職業病ってやつでしょうか、 電車に乗っていると、 知らず知らずのうちにやってしまうのです。 「この人の耳は福耳だなあ」 「耳のあなが小さいなあ」 こう云ったことは私一人ではなく、 仕事柄、人の体に関係する 職業に携わっている方なら どなたでもそうかもしれませんね。 たとえば、お医者さんなら 歯の先生なら歯を 耳鼻科の先生なら、耳と鼻、 眼科の先生なら、 人の目を知らず知らずのうちに 見つめてしまう先生も いらっしゃるかもしれません。 これも人間の固定観念が そうさせるのでしょうが、不思議ですね。聞こえないでほしい時もあります補聴器は読んで字の如く、 聴こえを補う道具ですが、 補聴器をつけるとどれくらい聞こえるようになるでしょうか。 一般的には 聴力が、低下してからよりも ある程度、まだ聞き取りが出来る力の残っている時のほうが、 補聴器を使っても聞こえやすいです。 人の悪口が聞こえるようになったと 複雑な顔をしている方もおられましたが、 明らかに補聴器の効果があったという人がいます。 その年配の女性は 私と向かい合わせであっても、 ゆっくりと大きな声で話す必要がありました。 ところが、 補聴器を試しに耳にしていただくと、 ずいぶん変わりました。 「どうですか聞こえますか?」 と私が訊ねたその瞬間、 私は、おなかが減っていたのでしょうか、 「グー」と鳴ったのです。 お客様は笑みを浮かべながら、 「もうお昼やもんねえ」 私にしてみれば、 聞こえないでほしい時もあるのですが、 こんなに効果が出ることもあります。悪口が聞こえる 知らないフリが出来るね。真顔でこう仰ったのです。「知らないフリもできるし、使い勝手がいいね」